2011/11/20
香港の銅鑼湾の店舗賃料は世界2位...!銅鑼湾の賃料はなぜこんなに高いのか?銅鑼湾は小売業者や飲食業者にとって垂涎のエリアである。地元香港人はもちろん、世界中の観光客、中でも中国本土からやって来る観光客が必ずといっていいほど訪れる香港きっての繁華街だ..... 詳細はクリックしてお読みください。
世界で店舗賃料が一番高かったのは東京銀座。「座っただけで数万円」というのが銀座の高級クラブのステータスだが、賃料の高さを考えれば「さもありなん」とさえ思ったものだ。
米不動産会社コリアーズ・インターナショナルが今年春に発表した世界の繁華街の賃料調査によれば、昨年世界一となったのは米国ニューヨークの五番街で1平方フィート当たり年間2150米ドル(約16万円)、2位は香港の銅鑼湾(コーズウェイベイ)ラッセル・ストリートで1510米ドル(約11万円)だった。

 銀座(中央通り)はモスクワよりも低い世界9位。年間賃料は611米ドル(約4万6000円)と銅鑼湾の半分以下だ。長引くデフレ不況による消費の冷え込みが凋落の根本原因であることは間違いない。

 実際、銀座の賃料は前年比横ばいであったにもかかわらず、銅鑼湾ラッセル・ストリートは25・6%も上昇している。「リーマンショック」後の景気回復とともに消費が活気づいてきたことを反映しているようだ。

 それにしても、銅鑼湾の賃料はなぜこんなに高いのか? 一言で言ってしまえば、それは大家が強気であるからにほかならない。

 銅鑼湾は小売業者や飲食業者にとって垂涎のエリアである。地元香港人はもちろん、世界中の観光客、中でも中国本土からやって来る観光客が必ずといっていいほど訪れる香港きっての繁華街だ。

 賃料があまりに高いので利益率は低くなり、赤字を垂れ流すことも珍しくないが、銀座の高級クラブと同じように銅鑼湾に店を出店すればお金には代えられないステータスが得られる。

 チェーン店であれば、銅鑼湾に旗艦店を構え、その宣伝効果を利用しながら賃料の安い郊外に店舗網を広げる。その結果、銅鑼湾は赤字でもチェーン全体としては大きな利益を稼ぐことができる。「損して元を取れ」というわけだ。

 香港の商売人たちはそのメリットを十分に理解しており、どんなに賃料が高くても赤字覚悟で銅鑼湾に出店したいと考えるので店子の確保に困る心配はない。しかし、銀座よりはるかに狭い銅鑼湾の店舗物件数には限りがある。大家が強気になるのも当然だ。

 景気が上向けば上向くほど大家は強気になって賃料をつり上げる。契約更改で賃料が一気に2倍になることもザラである。かつて銅鑼湾には、そごうのほか、三越や松坂屋、大丸などの日系百貨店が軒を並べていたが、香港大丸は過激な賃料の値上げに耐え切れず1998年に閉店。地元の人々にも惜しまれつつ30年近い歴史に幕を閉じた。